マジスター ラド:
この前、ある見知らぬ者が私を訪ねてきました。黒い鎧に身を包んだ、どことなく異世界の感じを漂わせる男でした。ブロンドの少女が彼と同行していました。その男はこのように言いました。
「遠からず運命の星を持った若者が訪れ、ミミルの泉水について聞くだろう。その者は将来、混沌の時代を平定する英雄。
その者が神々が強いる運命のくびきを抜け出せるように、ラド、あなたは泉水の秘密を伝えなければいけない...」
彼が話した若者がまさにあなたですね。英雄...今の時勢、あまりにも簡単に使われる言葉です。あなたに問いたい...自分が英雄だとお考えですか?
いや、あえて答える必要はありません。今後あなたを見守る中で知ることになるでしょう。しかしこうして見ると...黒い鎧の男と一緒にいたブロンドの少女が、なぜ首を横に振っていたのか理解できる気がします...
あなたにミミルの泉水が完成させられるのか...?と問われれば、充分に可能だとお答えできます。しかし、泉水を飲んだ後、その生に耐えられるか、については...率直に言って、それはわかりません。神々が定めた運命のまま生きることと違い、自らの運命を開拓することは、鎧をまとったまま泳ぐよりもずっと難しいことでしょうから。
「運命を開拓するとは...?」