入力できるデータファイルは,CSV などのカンマ,タブ,空白で区切られたテキスト形式のファイルです.データ形式 (数値データの並び順)によって,次の 5種類のグラフを描画できます.
Scalar XY (スカラー型 XY グラフ)
Multiple XY (複数 XY グラフ)
Sampling XY (サンプリング値を伴う XY グラフ)
Date XY (日付データによる XY グラフ)
Vector XY (ベクトル型 XY グラフ)
これら全てのデータファイルに共通して,データの先頭の行が全て文字列として扱える場合,新規に作成されるグラフにこれらの文字列を軸のタイトルとして設定します.
また,文字列の表記方法は,以下のルールに従います.
文字列に , を含めたい場合 " で文字列全体を囲む
文字列に " を含めたい場合 " で文字列全体を囲み,文字列中の " は "" と書く
フィールド区切り文字の前後に 空白スペース を含める場合は," で文字列全体を囲む
フィールド区切り文字がカンマ以外のデータで,文字列中に 空白スペース を含める場合 " で文字列全体を囲む
このデータ形式は,X と Y の値がペアで並んでいる場合です.折れ線グラフや点グラフ,棒グラフを描画できます. X値,Y値に続いて誤差値と文字列が並ぶ場合には,エラーバーと軸ラベル文字列を描画できます.
基本的には次の 4種類のデータを扱うことになります.
X と Y の値から構成される 2 列のデータ
並び順は,X値, Y値となります.
X値 Y値 0.00 0.0000 0.01 0.0628 0.02 0.1253 : : 1.00 -0.0000
X と Y の値と上下の誤差値から構成される 4 列のデータ
並び順は,X値,Y値,誤差下限,誤差上限となります.
X値 Y値 誤差下限 誤差上限 0.00 1.0000 -0.1789 0.2545 0.04 0.9686 -0.2201 0.1192 0.08 0.8763 -0.0844 0.0444 : : : : 1.00 1.0000 -0.0502 0.0783
X と Y の値とラベル文字列から構成される 3 列のデータ
並び順は,値 X,値 Y,ラベル文字列となります.
X値 Y値 ラベル文字列 0.0 0.000 "A^0_i" 0.05 0.2347 "B^1_i" 0.10 0.4635 "C^2_i" : : : 1.00 0.000 "U^{20}_i"
X と Y の値と上下の誤差値とラベル文字列の 5 列のデータ
並び順は,値 X,値 Y,誤差下限,誤差上限,ラベル文字列となります.
X値 Y値 誤差下限 誤差上限 ラベル文字列 0.00 0.9933 -0.0184 0.0471 "A^0_i" 0.05 0.9890 -0.0568 0.0590 "B^1_i" 0.10 0.9820 -0.0364 0.0797 "C^2_i" : : : : : 1.00 0.0067 -0.0919 0.1522 "U^{20}_i"
この形式は, 1列の X値 と 複数列の Y値 のデータが並んでいる場合です.1つのデータファイルで複数の折れ線グラフや点グラフ,棒グラフなどを一度に描画できます.Y値のデータは少なくとも 2列以上の数値の並びから構成されていなければなりません.
並び順は,X 値,Y1 値,Y2 値,Y3 値,... となります.
X値 Y1値 Y2値 Y3値 ... 0.00 0.0000 0.0000 0.0000 ... 0.04 0.1492 0.1990 0.2487 ... 0.08 0.2891 0.3854 0.4818 ... : : : : : 1.00 -0.0000 -0.0000 -0.0000 ...
この形式は,X 値のデータ列が必要ないだけで,Multiple XY と似ています.一つのデータファイルで複数の折れ線グラフや点グラフ,棒グラフなどを一度に描画できます.
入力されるデータ列は,全て Y 軸の値とみなされます.
Y1値 Y2値 Y3値 ... 0.0000 -0.3090 -0.5878 ... 0.2487 -0.0628 -0.3681 ... 0.4818 0.1874 -0.1253 ... : : : : -0.0000 -0.0390 -0.5878 ...
X 軸の値は,入力ウィザードのダイアログで指定したサンプリング値として入力することで自動的に生成されます.
この形式では,X 値として数値の代わりに日付文字列を渡します.
読み込まれた日付文字列の間隔を元に X 値が自動生成されます.生成された X 値と,日付文字列に続いて与えられる Y 値とを元にして,折れ線グラフや点グラフ,棒グラフを描画できます.
データから読み込まれた日付文字列は,対応する X 値のラベル文字列として描画できます.また,データ中に文字列を与えて,日付文字列の代わりにそれらを描画することも出来ます.
Y 値に続いて誤差値が並ぶ場合にはエラーバーも描画できます.
日付文字列としては,以下のフォーマットが可能です.
スラッシュ区切り ( 2005/06/01, 05/06/01 など )
ピリオド区切り ( 2005.06.01, 05.06.01 など )
ハイフン区切り ( 2005-06-01, 05-06-01 など )
空白区切り ( "2005 06 01", "05 06 01" など )
区切り文字無し ( 20050601, 050601 など )
データの書式として,以下のものが可能です.
日付文字列 と Y 値から構成される 2 列のデータ
並び順は,日付文字列, Y 値となります.
日付文字列 Y値 "2005.1.7" 0.68 "2005.1.21" 0.32 "2005.2.4" 0.12 : : "2005.6.17" 0.11
日付文字列 と Y の値と上下の誤差値から構成される 4 列のデータ
並び順は,日付文字列,Y値,誤差下限,誤差上限となります.
日付文字列 Y値 誤差下限 誤差上限 "2005.1.1" 0.50 -0.13 0.12 "2005.2.1" 0.40 -0.15 0.03 "2005.3.1" 0.2 -0.04 0.3 : : : : "2005.12.1" 0.960 -0.17 0.06
日付文字列 と Y の値とラベル文字列から構成される 3 列のデータ
並び順は,日付文字列,値 Y,ラベル文字列となります.
X値 Y値 ラベル文字列 "2005.1.4" 1.38 "Jan" "2005.1.11" 1.17 "" "2005.1.21" 0.92 "" "2005.2.1" 0.65 "Feb" : : : "2005.6.21" 1.03 ""
日付文字列 と Y の値と上下の誤差値とラベル文字列の 5 列のデータ
並び順は,日付文字列,値 Y,誤差下限,誤差上限,ラベル文字列となります.
X値 Y値 誤差下限 誤差上限 ラベル文字列 "2005.1.4" 0.98 -0.15 0.13 "1/4" "2005.1.11" 0.77 -0.085 0.08 "1/11" "2005.1.21" 0.72 -0.098 0.12 "1/21" : : : : : "2005.6.21" 0.62 -0.087 0.131 "6/21"
この形式は,ベクトルの組から構成されているデータです. これを利用すると 2 次元のベクトル図を描画できます.
入力されるデータは,4 列のデータセットで構成されている必要があります.最初の 2 列は,それぞれ X および Y の軸の始点の座標値です.次の 2 列は,2通りの意味を持ち,グラフ描画時にウィザードダイアログでいずれのタイプかを指定します.
Orthogonal を選択すると,3 列目と 4 列目の値をそれぞれベクトルの X 成分および Y 成分と見なします.
Polar を選択すると,3 列目と 4 列目の値をそれぞれベクトルの大きさと角度と見なします.このとき,角度に利用される単位系はラジアンです.また,大きさには必ず 0 以上の値を与える必要があります.
Orthogonal を選択した場合
X 座標 Y 座標 X 成分 Y 成分 -3.9 -3.9 -70.71 70.71 -3.9 -2.9 -59.67 80.25 -3.9 -1.9 -43.80 89.90 -3.9 -0.9 -22.49 97.44 : : : : 4.1 4.1 70.71 -70.71
Polar を選択した場合
X 座標 Y 座標 大きさ 角度 5.0 5.0 1000.0 0.785 5.0 15.0 1000.0 0.322 5.0 25.0 1000.0 0.197 5.0 35.0 1000.0 0.142 : : : : 65.0 65.0 1000.0 0.785
ベクトル図では,ベクトルの大きさは風速や磁場の強さなど,位置とは異なる物理量で与えられることがしばしばあります.
したがって,ベクトル図で表示される矢印の大きさは,データとして与えられたベクトルの大きさを適当にスケールしたものに設定されています.
ここで,レジェンドの下に書かれている数字は,レジェンドの矢印の長さがベクトルの大きさの幾らに対応するかを表しています.
1 cm あたりのベクトルの大きさを,データのプロパティダイアログによって設定可能です.ベクトル図のプロパティダイアログに関しては,項2.2. 「ベクトル型データ」 を参照して下さい.