メールソフトを POPFile と連係させる
POPFile は プロキシサーバー として動作します。メールプログラムは POPFile とつながり、POPFile はメールプログラムの代わりにメールサーバーに接続します。メールプログラムが直接メッセージを受け取る代わりに、POPFile がまずそのメッセージを受け取って、どのバケツに振り分けるかを決めるためにスキャンします。
一瞬のうちに振り分け先を決めると、POPFile は次のいずれかをおこないます。[spam] のようなタグを件名の最初に追加して、Microsoft Outlook Express が持つようなシンプルなフィルタリング機能でメールを振り分けられるようにするか、あるいは Microsoft Outlook が持つような高度なフィルタリング機能に対応して、以下のような新しいメールヘッダーを追加することができます。
X-Text-Classification: personal
メールソフトはこのヘッダーをフィルターとして使うことができます。
メールソフトを POPFile と連係させるには、次の二つのことをしなければなりません。
- メールソフトの設定を変更して POPFile と接続するようにし、そして、
- 分類がきちんとおこなわれるようにメールフィルターをセットアップしなければなりません。
まずメールソフトの設定変更からやりましょう。フィルターのセットアップについてはその後、続けておこないます。
以下はいくつかの有名なメールソフトにそれぞれ対応した説明です。ほかのメールソフトを使用している場合、あるいは上級者のための一般的な説明は次の通りです:
- メールソフトの POP3 サーバー名を 127.0.0.1 に変更します。元のアドレスは控えておきます。
- POP3 ユーザー名を [元の POP3 サーバーアドレス]:[ユーザー名] に変更します。
- パスワードはそのままです。
Secure Password Authentication を使用しているアカウントについては、POPFile の特別な使い方: Secure Password Authentication を参照してください。
使っているメールソフトに対応した欄の指示に従ってください。ややこしいように見えますが、実際には2分ほどで設定変更できます。間違えることも少ないでしょう。(念のために、元に戻せるよう始めの設定値をどこかにひかえておくのがよいでしょう)
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Outlook
- Outlook のメニューより「ツール」->「電子メール アカウント」を選びます。「電子メール アカウント」のダイアログボックスが開きます。 [スクリーンショット]
- 「既存の電子メール アカウントの表示と変更」を選び、「次へ」をクリックします。POPFile を使用するアカウントを選び、「変更...」をクリックします。
「受信メール サーバー(POP3)」と「ユーザー名」の値をひかえておきます。[スクリーンショット]
- 「受信メール サーバー(POP3)」の値を 127.0.0.1 に変更し、「ユーザー名」の値は元の「受信メール サーバー(POP3)」の値と元の「ユーザー名」とをコロンでつなげた値に変更します。 [スクリーンショット]
- つまり、元の「受信メール サーバー(POP3)」の値が my.mail.com で「ユーザー名」が jdoe だとすると、新しい「ユーザー名」は my.mail.com:jdoe となります。
- パスワードは変更する必要はありません。
- 「次へ」をクリックし、次に「完了」をクリックします。
- POPFile を起動して、全ての電子メールが POPFile を経由してメールソフトに配信されるのを確認してください。
- Windows が起動するときにはいつでも POPFile も起動するようにしてください。Windows インストーラーバージョンを使用していれば、「スタート」メニューの下の「POPFile」グループから「Start POPFile in Background」リンクを「スタートアップ」グループにドラッグすればよいでしょう。そうすれば、Windows は常に POPFile を起動するようになります。
- 重要!POPFile が起動していないと、電子メールは配信されず、メールソフトは正常にメールサーバーと接続することができません!
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Outlook Express
- Outlook Express のメニューより「ツール」->「アカウント」を選びます。「インターネット アカウント」のダイアログボックスが開きます。 [スクリーンショット]
- POPFile を使用するために設定を変更するアカウントを選び、「プロパティ」をクリックします。 [スクリーンショット]
- 「サーバー」タブを選びます。「受信メール (POP3)」と「アカウント名」の値をひかえておきます。 [スクリーンショット]
- 「受信メール (POP3)」の値を 127.0.0.1 に変更し、「アカウント名」の値は元の「受信メール (POP3)」の値と元の「アカウント名」とをコロンでつなげた値に変更します。 [スクリーンショット]
- つまり、元の「受信メール (POP3)」の値が my.mail.com で「アカウント名」が jdoe だとすると、新しい「アカウント名」は my.mail.com:jdoe となります。
- パスワードは変更する必要はありません。
- 「OK」をクリックし、次に「閉じる」をクリックします。
- POPFile を起動して、全ての電子メールが POPFile を経由してメールソフトに配信されるのを確認してください。
- Windows が起動するときにはいつでも POPFile も起動するようにしてください。Windows インストーラーバージョンを使用していれば、「スタート」メニューの下の「POPFile」グループから「Start POPFile in Background」リンクを「スタートアップ」グループにドラッグすればよいでしょう。そうすれば、Windows は常に POPFile を起動するようになります。
- 重要!POPFile が起動していないと、電子メールは配信されず、メールソフトは正常にメールサーバーと接続することができません!
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次にメールのフィルターを設定します。これによって、POPFile がメールの分類を行った後、メールプログラムはそのメールを受け取り、適切なフォルダに仕分けします。
拡張機能として、メールの件名に[分類先]タグを追加することができます。Web ユーザーインターフェースの「設定」タブの右上の方で設定します。この拡張機能を使う使わないに関わらず、X-Text-Classification ヘッダーは追加されます。
使っているメールソフトに対応した欄の指示に従ってください。ややこしいように見えますが、実際には2分ほどで設定変更できます。間違えることも少ないでしょう。(念のために、元に戻せるよう始めの設定値をどこかにひかえておくのがよいでしょう)
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Outlook
- Outlook のメニューより「ツール」->「自動仕訳ウィザード...」を選びます。[スクリーンショット]
- 自動仕訳ウィザードが開きます。「新規作成...」をクリックし、「新しいルールを作成」を選びます。[スクリーンショット]
- Outlook はメールのフィルタリングが完全にバックグラウンドで行われるように、仕訳に X-Text-Classification ヘッダーを使うことができます。「次へ」をクリックし、メッセージヘッダーに特定の文字が含まれる場合 を選びます。
- グレーにハイライトされた 特定の文字 リンクをクリックし、"X-Text-Classification: " に続けてバケツ名をテキストボックスに入力し、「追加」、次いで「OK」をクリックします。
- 「次へ」をクリックし、指定フォルダへ移動する を選びます。
- グレーにハイライトされた 指定 をクリックするとフォルダのリスト
が表示されます。バケツに分類されたメールの移動先フォルダを選び、「OK」をクリックします。
- 「OK」をクリックし、「完了」をクリックします。
- 各バケツごとに以上のプロセスを繰り返します。
- 終了です!
- 補足: POPFile web インターフェースの「設定」タブ上で、「件名の変更」をオフ にします。
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Outlook Express
- Outlook Express のメニューより「ツール」->「メッセージ ルール」->「メール...」を選びます。 [スクリーンショット]
- 「メッセージ ルール」画面が開きます。 [スクリーンショット]
- Outlook Express はメールのフィルタリングを完全にバックグラウンドで行うことができる X-Text-Classification ヘッダーを使うことができません。そこで、代わりに件名に指定した言葉が含まれる場合をクリックし、また
指定したフォルダに移動するもクリックします。 [スクリーンショット]
- 青でハイライトされた 指定した言葉が含まれる リンクをクリックすると、「単語の入力」ダイアログボックスが開きます。 [スクリーンショット]
- [大括弧]で囲んだバケツの名前一つを入力し、「OK」をクリックします。今度は、青でハイライトされた 指定したフォルダ をクリックすると、「移動」ダイアログボックスが開きます。 バケツに分類されたメールの移動先フォルダを選び、「OK」をクリックします。 [スクリーンショット]
- 「OK」をクリックします。
- 各バケツごとに以上のプロセスを繰り返します。
- 終了です!
- 補足: POPFile web インターフェースの「設定」タブ上で、「件名の変更」をオン にします。
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これで完了です!... ただし...
設定はこれで完了ですが、これだけでは POPFile は電子メールをフィルタリングしません。なぜなら、POPFile はまだ設定されたバケツが何を意味するのかわからないからです。「spam」(ごみメール) や 「genuine」(本物) が何を意味するのか、「work」(仕事用)や 「personal」(私用)が何を意味するのかわからないのです。そればかりか、電子メールに使われている言語が何かということでさえわからないのですが、そんなことは一向に構いません。ごみメールと普通のメールとを分別するには、あるいはあるプロジェクト関連のメールをその他のメールから選り分けるには POPFile をトレーニングする必要があります。次のステップの トレーニング でその方法を見ていきましょう。
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