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オブジェクトのプロパティ値を取得/設定するには

イベントプロシージャにおいて、 オブジェクトのプロパティに対してアクセスすることができます。 次のAPIを利用します。
アクセス関数 機能
getProperty プロパティ値の取得
setProperty プロパティ値の設定



プロパティ値の取得

オブジェクトのプロパティを取得するには、WSCbase クラスのメンバ関数である getProperty() APIを利用します。
void event_procedure(WSCbase* object){

  //WSNx (X座標)プロパティの値の文字列による取得
  WSCstring x = object->getProperty(WSNx); 
  printf("x=%s\n",(char*)x);

  //WSNy (Y座標)プロパティの値の取得
  short y =  object->getProperty(WSNy); 

}
WSNx の例では、文字列で値を取得しています。文字列クラス WSCstring は、 内部で文字列領域の管理を時動的に行うので、 プログラマによる管理の心配はいりません。
WSNy の例では、数値型で受け取っています。関数 getProperty() は、 WSCvariant 型で値を返しますが、WSCvariant 型は、それぞれの型に自動的に キャストされます。したがって、型変換をWSCvariant 型が行うので、 プログラマが気にするころはありません。
次の例は、整数型を、文字列型に変換するものを示します。
void cbop(WSCbase* object){

  //WSNx (X座標)プロパティの値の文字列による取得
  WSCstring x = object->getProperty(WSNx); 
  printf("x=%s\n",(char*)x);

  //WSNy (Y座標)プロパティの値の取得
  short y =  object->getProperty(WSNy); 

  //整数型を文字列に変換
  WSCvariant stry = y;
  printf("y=%s\n",(char*)stry);
  //VARIANT 型を浮動小数点型に変換
  printf("y=%fl\n",(double)stry);
}
プロパティ値を、文字列で取得する場合における注意点ですが、 char* で直接取得する行為はやってはいけません。
char* 文字列を取得したい場合は、下記の例のように一旦、 WSCstring で取得してから、 char* 文字列を取得してください。一旦、WSCstring で受け取ることで、 char* 文字列領域が WSCstring 内に確保され、参照可能となります。
悪い例のように、直接、char* で取得すると、getProperty が 返した WSCvariant が保持されること無く、開放されるため、 取得した、char* がすぐに無効となってしまいます。 この無効領域となってしまった char* にアクセスすると、メモリフォルトを 引き起こします。
void event_procedure(WSCbase* object){

  //WSNlabelString 表示文字列プロパティの文字列による取得
  //やってはいけない例
  char* string = object->getProperty(WSNlabelString); 

  //WSNlabelString 表示文字列プロパティの文字列による取得
  //良い例
  WSCstring string1
  string1 = object->getProperty(WSNlabelString); 
  char* str = (char*)string1;

}


プロパティ値の設定

オブジェクトのプロパティを設定するには、WSCbase クラスのメンバ関数である setProperty() を利用します。次の例は、
void event_procedure(WSCbase* object){

  //WSNx (X座標)プロパティの文字列による設定
  char* x="100";
  object->setProperty(WSNx,x); 

  //WSNy (Y座標)プロパティの設定
  short y=100; 
  object->setProperty(WSNy,y); 

}
WSNx の例では、文字列で値を設定しています。 WSNy の例では、整数型で値を設定しています。 関数 setProperty() は、WSCvariant 型を引数にします。したがって、 いろいろな型を自動的にキャストして、受け付けることができます。 プログラマは、型を気にせずアクセスできます。


プロパティ値の描画への反映

通常、イベントプロシージャの実行直後に反映されますが、変更後、 プロパティの値を直ちに反映させたい場合、update()、draw()、redraw() を呼び出します。
ウィンドウシステムによっては、(例えば、X11 システムの場合など) 描画を行った際、すぐにウィンドウシステムに反映されない場合が あります。 そのような場合は、WSDappDev クラスの update() を呼び出してください。
#include "WSDappDev.h"

void event_procedure(WSCbase* object){

  obj1->getProperty(WSNlabelString,"テキスト"); 
  obj1->update();  //直ちにオブジェクトを更新。
  WSGIappDev()->update(); //ウィンドウシステムへの描画要求を反映させます。
 
  obj2->getProperty(WSNlabelString,"テキスト"); 
  obj2->update();  //直ちに描画される
  WSGIappDev()->update(); //ウィンドウシステムへの描画要求を反映させます。


Document Release 2.0

For Use with Wide Studio Release 2.0, Spring 2002


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