大長老シフィエル:
ついこの前、黒魔法研究所の一部が崩れ落ち、隠し部屋が発見され、カイシャの黙示録と呼ばれる古文書の中の一部を発見できた。この文書について聞いたことがあるかね?
50年前、人間の王国「エルモア」の西海岸で、かなり古い年代の羊皮紙の巻物が幾つか発見された。これを発掘した人間の学者ホルニウスによると、あの巻物らは上期巨人時代に書かれた、ある種の宗教的経典であったそうだ。驚くことに、その内容は今までこの世に知らされていなかったか、若しくは偽りの記録で汚されていた事実、つまりグランカイン様とシーレン様に関する神話であったそうだ。
惜しくも、ホルニウスはあの巻物らの翻訳を全部終わらせる前に、アインハザードを信奉する愚かな人間の群れに軟禁され、翻訳中であった文書は全部押収されることとなってしまったのだ。そして、訳のわからない宗教裁判が開かれ、その判決というのが本当にバカバカしいものであったのだ。「邪教徒と内通し、嘘の経典をでっちあげたその神聖侮辱の罪、決して許されまい」という内容であったそうだ。結局、この可哀想な学者は真実を恐れる聖職者たちの手により、異端の者という濡れ衣を着せられ、処刑されてしまったのだ。燃え上がる薪の上に縛られてだ。人間は我が闇の兄弟たちのことを残酷だというが、人間のそれには決して及ぶまい。
黙示録の行方について聞く