グスタフ アテバルト卿:
今、ギランは地竜アンタラスのことですごく大変なのだ。それもそのはずで、長い間眠りについていたアンタラスが再び眠りから覚めたという噂があるからなのだ。ギランの実勢を握っている貴族と商人は、傭兵団を雇い、討伐団を送るとかなんとか机上の空論を繰り広げている。今すぐにでも、ドラゴンバレーから数多いドレイクやウォームが出て来るかもしれない状況なのに、あんな無能な者たちに事態の解決を任せておけない。
私は、この問題の解決策を探すために、ギランでひとつの事業を始めている。大したことではないが、ひょっとして重要な糸口になるかもしれない事業だ。まずギラン城の村に行ってみるのだ。そこで私の仕事を任されて行っているマルティエンという男に会ってみるのだ。私が、信任している者だから、彼にしっかり協力するようにしなさい。詳しい話はマルティエンから直接聞いてくれたまえ。神のご加護が君と君たちの血盟にあることを祈る。